Aセット
小さな駅舎から 5

美瑛・美馬牛駅の駅ノートには旅人達の様々な思いが書き綴られていた。
昨年、NHKの番組で最北の無人駅、宗谷本線・抜海駅を舞台とした番組が放送された。
残念ながら私は放送を見逃したが、放送を見たという友人等から聞いた話を思い出してみた。
主人公は一人の男性だ。
彼は大手企業の中間管理職だったが、リストラにより退職、妻とも離婚してしまう。
そしてバイクで一人、最北端の地を目指し、利尻島に辿り着く。
島のラーメン屋でバイトをしながら、そこで働く6才の子連れの女性と知り合う。
彼の故郷は茨城県、実は故郷で次の仕事が決まっていた。
彼女への想いを断ちこのまま故郷へ戻っていいのか・・・定職がないまま北海道に残るか。
故郷へ戻る途中、彼は抜海駅に立ち寄り一人悩んだ。
そしてある決心をする。
数週間後の抜海駅。
そこには、列車を降りた男女と小さい娘の姿があった。
そう、彼は故郷を離れ、北海道で警察官を目指すことを決めたのだった。
美瑛・美馬牛駅においてある駅ノート、いつか自分も思いを書いてみようと思った。